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1940年代 ロンジン クロノグラフ懐中時計 Cal.18.72

ヴィンテージ・クロノグラフ最高峰のロンジンのクロノグラフ懐中時計です。

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文字盤はポーセリン(陶製)ですので経年変化が無く、素晴らしいコンディションです。クラック(ヒビ割れ)もありません。
針は全てブルースチール(炭素鋼の素材に青焼き処理を施したもの)で、時分針はブレゲ針(時計の進化を2世紀早めた天才アブラアン・ルイ・ブレゲが考案した時分針の形状)と呼ばれる形状で、趣きがあります。インデックスの数字も、ブレゲが考案したブレゲ数字という書体です。

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本品は何と言ってもムーブメントが素晴らしいです。

ロンジンの懐中クロノグラフ・キャリバーの開発は、1878年のCal.20Hに始まり、その後19CH→19.73→18.89→名機19.73N→18.72と進化していきます。そのため本機Cal.18.72はロンジンの懐中クロノグラフの完成形と言えるものです。
(ちなみにキャリバーの最初の数字はムーブメントの大きさ(径)を表しています。スイスではムーブメントの径をリーニュ(Ligne)(1Ligne=1/12inches≒2.25mm)という単位で表し、Cal.19.73Nは19リーニュ(43.15mm)の径になります。)

一方、腕時計用のクロノグラフ・キャリバーは、1913年初出のCal.13.33Z→13ZN→30CHと進化していきます。本機Cal.18.72は1929年初出で、時期的には13.33Zと13ZNの間の、ロンジンがまさにクロノグラフ開発に熱を入れている時期になります。

本機Cal.18.72は、基本設計はCal.19.73Nに同じですが、大きな変更点は、2つあったクロノグラフ・ハンマー(リセットを行うパーツ)が一体となり、メカニズムが簡素になり機能的にも向上している点です。

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ヴィンテージ(アンティーク)時計

2012/06/08 (Fri) 14:11 |懐中時計 |トラックバック(0) |コメント(0)

1923年製 イリノイ アメリカ製 懐中時計

1923年製のイリノイ(Illinois)というアメリカのメーカーの懐中時計です。

19世紀から20世紀初頭のアメリカ製の懐中時計は、スイス製を凌ぐ世界最高のクオリティーを誇っていました。メーカーで言えば、ウォルサム(Waltham)、ハミルトン(Hamilton)、エルジン(Elgin)、そして本品のイリノイ等多くのメーカーがありました。
1923年は日本では大正12年、本品はそんな時代にアメリカではこんな高度な時計を作っていたという好例です。
ムーブメントのシリアルナンバーから1923年製であることが分かります。

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まず目を引くのが、ブルースチールの針の形状です。手間のかかる独特の形状の装飾を施しています。しかもスモール秒針にまで。
これらの針は全てこの時計のオリジナルであることが分かります。

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本品の価値は、ムーブメントの品質の高さにあります。

穴石(歯車の芯を受けているルビー)は、上の画像のようにシャトン留めされています。シャトン留め(chaton setting)(元はジュエリー用語)とは、穴石に金の枠を設けその枠を2本或いは3本のネジでビス止めされている方式で、かつては最高級時計にしか採用されませんでした。本来は、穴石が割れた際に、同じ穴石が無い場合、違うサイズの穴石を入れることを可能にした実用的なシャトン留めでしたが、今日では装飾的要素が高いものになっています。

そして特に、テンプ周りが高級仕様です。
ヒゲゼンマイ(balance spring)はブレゲ巻上げヒゲ(Breguet balance spring)で、テンワ(テンプの輪の部分)にはチラネジ付きのバイメタル切りテンワを採用しています。
チラネジとは、本来テンワの片重り(重心)を取るためのテンワ外周に付くネジのことですが、こちらも今日では装飾的要素になっています。
バイメタル(Bi-metallic strip)とは、異なる熱膨張係数の金属を貼り合わせ、温度変化によって曲がり具合が変化するものです。テンワでは下の画像のように外側に真鍮、内側に鉄を張り合わせています。テンワをバイメタルにし一部(テンワの2箇所)を切ったテンワにすることにより、温度補正をする目的があります。当時のヒゲゼンマイは鉄でしたので気温が上がるとヒゲゼンマイがわずかに柔らかくなり時間が遅れますが、テンワをわずかに内側に曲がるようにすれば進むようになり、時間の補正をするわけです。今日ではヒゲゼンマイの材質も改良され、温度変化による変形がほとんど無いエリンバー(elinvar)という材質になっているため、バイメタル切りテンワの必要はなくなっています。
スワンネックの緩急針微調整機構が採用されている点も高級仕様です。緩急針とは時間の進み遅れを調整する(テンプの上に付く)パーツで、その微細な調整をバネ製のあるスワンネック(swan neck)(白鳥の首のような形状からこの名が付きました)とネジで挟み、そのネジを回すことにより微調整を可能にした機構です。

以上、いずれの機構も当時は非常に実用性の高い機構ですが、今日ではいずれも装飾的要素として現行高級時計に採用されています。

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1923年製 アンティーク 懐中時計 イリノイ ILLINOIS OH済!

2012/05/02 (Wed) 13:47 |懐中時計 |トラックバック(0) |コメント(0)

20世紀初頭 アンティーク クオーター・リピーター 懐中時計

鐘で時を知らせるクオーター・リピーターの懐中時計です。

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リピーターの時計とは、レバーを操作すると現在時刻を綺麗な音色で知らせる時計のこと。クオーターとは4分の1ということなので、クオーター・リピーターとは、15分おきの時間を知らせる時計のことです。
鐘の音は、時は低い音で「コーン」と、クオーターの分は高い音と低い音の連続で「キンコン」と鳴ります。
例えば、3時35分だと、「コーン、コーン、コーン、キンコン、キンコン」です。
下のYouTubeの動画で音色を聞いて見て下さい。実際はもっと澄んだ音色です。



およそ1900年代の物と思われます。
ケースはガンメタルケースで、素材は鉄ですので経年変化により錆びがあります。この錆びもアンティークだと思うと好感が持てます。
文字盤は陶製で、陶製のことをポーセリン(porcelain)と言います。割れたりヒビが入ったりしやすいのですが、本品は割れやヒビ等無く素晴らしいコンディションです。
ポーセリン文字盤はヒビが入りやすいというデメリットはありますが、焼けや腐食等の劣化がほとんど無いので、文字盤に向いていると言われています。手間とコストが掛かるので、現在ではほとんど作られていません。
針は装飾が施された針で、こういう様式の針をルイ15世針と言います。
針回しは、11時位置のダボを押しながらリューズを回します。

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ムーブメントも綺麗です。
GLASGOWとありますので、イギリス製だと思われます。
リピーター機構も含めて完全オーバーホール済みですので、時間も出ていてリピーター機能も完全に動作します。

貴重な逸品を万全の状態で、ヤフーオークションに出品中です!

20世紀初頭 クオーターリピーター懐中時計 ガンメタル OH済!

2012/04/02 (Mon) 12:53 |懐中時計 |トラックバック(0) |コメント(0)

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時計工房スペースタイムズ

Author:時計工房スペースタイムズ
ヴィンテージ(アンティーク)ウォッチの修理・販売をしております小さな工房です。一級時計修理技能士の技術者自らが、内部機械の解説をまじえたヴィンテージ・ウォッチの魅力をお伝えします。
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